関節リウマチの治療
関節のこわばり・関節痛・可動域の制限でお困りの方へ
福岡市東区千早のおくだクリニックでは、関節リウマチでお困りの方へ漢方を取り入れた治療を行っております。 血液検査やレントゲン検査に加えて、漢方的な“望診(ぼうしん)”“聞診(ぶんしん)”“問診(もんしん)”“切診(せっしん)”という4つの方法で診断した後、適切な治療方法をご提案させていただきます。
関節リウマチでは“関節のこわばり(特に朝)”“多発性の関節痛”“関節の可動域の制限”などの症状が現れ、患者様のQOL(生活の質)の低下を招く恐れがありますので、症状でお困りの方はお気軽に当院へご相談ください。

関節リウマチの症状
手足の指関節のこわばり
特に朝に現れやすい症状で、手足の指関節がこわばって動かしにくくなります。
起床後、症状はしばらく続きますが(通常30分程度)、体を動かしているうちに徐々に解消されていきます。
ただし、症状が重い場合には午前中・1日中続く場合もあります。
あちこちの関節が痛む(多発性の関節痛)
最初各所の関節が運動時に痛むようになりますが、進行するにつれて何もしていなくても痛むようになります。
痛みの原因は関節の炎症で、関節リウマチではこれが1箇所ではなく、様々な関節で多発するという特徴があります。
また右膝で生じた場合には、左膝にも生じるといったように、症状が左右対称に現れるという特徴もあります。
関節の可動域の制限
関節の炎症により骨、軟骨、腱が破壊されてしまい、関節の動きが制限される場合があります。
通常、治療のために手術が必要になり、そのまま放置すると関節の筋肉が拘縮状態
長期間、関節の炎症が続くと、関節を形成する骨、軟骨、腱が破壊され、動きが悪くなったり動きが制限されたりすることがあります。これを「関節の可動域制限」と言います。こうした症状は、基本的には手術しない限り元に戻ることはありません。症状をそのままにしておくと、関節を曲げるための筋肉の収縮・弛緩が適切に行えなくなり、筋肉が拘縮状態(筋肉が縮んで伸ばせなくなる)になることもあります。
関節の変形
関節の変形とは、関節の可動域が制限されることで、関節を曲げたり伸ばしたりするために必要な筋肉や軟部組織に異常が生じ、結果として関節の形状が変化してしまう状態を指します。
この状態は、長期間にわたる関節への負担や、炎症性疾患、外傷などが原因で発生することがあります。
可動域の制限は、関節の周囲の筋肉や靭帯、腱が硬くなることや、骨そのものが変形してしまうことによって引き起こされます。
このような状態が進行すると、関節の正常な動きが妨げられ、日常生活の中で動作が困難になる場合があります。
また、変形した関節には不自然な負担がかかりやすくなり、さらに症状が悪化する悪循環を招くことがあります。
関節の変形は、加齢や過剰な使用、または関節リウマチなどの炎症性疾患による慢性的なダメージが主な原因となります。
特に指や膝、股関節など、体重や頻繁な動作による負担を受けやすい関節で起こることが多いです。
関節リウマチの進行度
関節リウマチは、関節がどの程度破壊されているかによって4つのステージに分けられます。
それぞれのステージには、病気の進行度合いや関節の損傷状態が反映されており、適切な治療を選択するための重要な指標となります。
ステージⅠ(初期)
この段階では、関節に炎症が起こり、痛みや腫れなどの症状が現れますが、骨や軟骨そのものはまだ破壊されていません。
レントゲン検査などで関節周辺の異常が確認されることはありますが、明らかな骨の変形や損傷は見られないため、早期治療によって進行を抑えることが可能な状態です。
ステージⅡ(中等度)
骨や軟骨の破壊が始まる段階です。
この時点では、関節そのものの形状に大きな変化は見られませんが、骨や軟骨が徐々に侵食されている兆候が確認されます。
痛みや腫れが続き、日常生活で関節の違和感を感じることが多くなります。適切な治療で進行を遅らせることができるため、早期の対応が重要です。
ステージⅢ(高度)
軟骨の破壊がほとんど進行し、さらに骨そのものの破壊が進む段階です。
この時期になると、関節に明らかな変形が現れることがあり、可動域が狭まったり、動かす際に強い痛みを伴うことがあります。
関節機能が低下し、日常生活での動作に支障をきたす場合が増えます。
特に、階段の昇降や物を持つといった動作が困難になることがあります。
ステージⅣ(末期)
骨や軟骨の破壊が進行し、関節の可動域が完全に失われる状態です。
炎症が治まり、痛みが軽減する場合もありますが、関節そのものが動かせなくなり、日常生活における自立が難しくなることがあります。
この段階では、義肢や人工関節などの外科的治療が必要となる場合もあります。
関節リウマチの治療
薬物療法・リハビリ・手術
関節リウマチの治療方法には「薬物療法」「リハビリテーション」「手術」がありますが、治療の基本はお薬を使用して症状の改善を目指す薬物療法が中心となります。
関節リウマチの治療で使用されるお薬は、以前は痛み止めやステロイドに限られていました。
しかし、近年では生物学的製剤やJAK阻害薬といった新しい治療薬が開発されており、これらの薬剤は関節の炎症を抑えるだけでなく、関節の破壊進行を防ぐ効果も期待できます。
これにより、きちんと治療を続けることで症状のコントロールがしやすくなり、良好な結果が得られる可能性が大きく高まっています。
西洋薬だけでなく漢方薬も積極的に活用
当院では、関節リウマチの症状が比較的軽い方に対しては、まず漢方薬を処方し、体全体のバランスを整えながら症状の改善を目指します。漢方薬は、リウマチの炎症を和らげるだけでなく、体質の改善や免疫バランスを整える効果が期待できます。一方、ご来院時にすでに強い痛みや腫れなどの症状がある場合には、西洋薬を使用し、迅速に症状を和らげる治療を行います。必要に応じて西洋薬と漢方薬を併用することで、患者様一人ひとりの状態に合わせた最適な治療プランを提案します。
関節リウマチの治療においては、早期の診断と適切な治療が非常に重要です。
現在では、様々な効果的なお薬が開発されており、継続的に治療を受けることで、痛みや腫れが軽減されるだけでなく、関節の変形や機能障害を防ぐことが可能です。
そのため、症状を我慢したり、治療を諦めたりせずに、ぜひ当院へご相談ください。
長期的な視点で治療を進めることで、より良い生活の質(QOL)を保つことができます。